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Gipsyland / Arte
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アルバム情報
- アルバム名:ARTE
- アーティスト:Gipsyland
- 発表年:2002
- 発売元:Hollywood Records
ミュージシャン
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曲ラインナップ
- Sambame
- Es Por Ti
- Vente Conmigo
- Salaam
- Nuestro (instrumental)
- Lolita
- Muevete
- Princesa
- Mama Mia
- Gitano Puro
- Fin De Verano
- Arte (instrumental)
- Ready For The Fiesta
- Tu Y Yo
- Dile Compadre
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レビュー
- ジプシー・ルンバのスタンダード
前作「Viva la musica」がややオーバー・プロデュース気味で、ジプシー・キングスのファンからは単なるラテンポップじゃないかとやや不満の声が上がっていたきらいがあった。しかし、最新盤の「Arte」はしっかりとカマルグ・ジプシー・ルンバの香りを醸し出した出来栄えである。
Kiko Motos の特徴のある歌声と Cylil Cablac の軽やかなソロギター。そしてあのアコースティックなコンパスギターの演奏。まさにジプシー・キングスが開拓したカマルグ・ジプシー・サウンドそのもの。
もちろんバックにパーカッションやシンセサイザーなどを使った多彩な音作りだが、それがでしゃばらず、好感の持てるアルバムに仕上がっている。
個人的には1作目の「A l'alba」が彼らのベスト盤だと思っているが、このアルバムも良い。
ただ曲作りが平均点過ぎて、いわゆる耳に残る名曲というのが少ないのが難点かも知れない。そういう意味では、前作「Viva la musica」は表題曲を含めて名曲が多かった。
とはいえ、全曲がオリジナルで佳曲ぞろい。
'Sambame'、'Por Ti'、'Vente Conmigo'、'Muevete'、'Princesa'、'Ready For The Fiesta' あたりはGipsyland の特徴がよく出ていて聴きどころ。
アルバム全体のレベルは高く、 Baliardo 一族の実力を示したジプシー・ルンバのスタンダードといえる作品である。
(J)

- ギターの存在感
完成されたラテン・スパニッシュというか、洗練されたジタン・ポップというか、とにかくこれまでに発表されたジプシールンバのアルバムの中でもかなり「音」に凝ったアルバムだ。
近年のジプシールンバは特徴であるフラメンコギターのほかにドラムやパーカッション、キーボードなどが多用される傾向にある。その結果、土臭さと引き換えに都会的なテイストが幅をきかせ、モダンでポップな仕上がりになりがちだ。そのような「音」を好む人もいるかもしれないが、やはりジプシールンバのギタープレイを前面に出して欲しい、というのがこのジャンルを愛するファンの願いでもあるはずだ。
このアルバムはそうした願いを見事に叶えてくれた秀作といえよう。確かにほとんどの楽曲に渡り、ドラムやキーボードが多用されている。しかし肝心のフラメンコギターの音色がそれらの音に負けるどころか、確固たる存在感を示し、他の楽器と心地よく中和している。
ちなみに今回のアルバムにプロデューサーとして起用されたブラジル・バイーアのミュージシャン、カルリーニョス・ブラウンは、伝統的な土着の音楽の流れを壊さず、ファンク、ロック、レゲエ、サルサ、アフリカンなどの新しいサウンドを巧みに取り入れる事を得意としている。そんな彼の持ち味を良く引き出しているアルバムとも言える。様々な音楽との融合をたくみに実現させている点も注目に値する。
(L)

- ジプシー・ルンバの完成形
いきなりだが、このアルバム「Arte」は現在のジプシールンバミュージックの一つの完成形と言っても差し支えない。
メインソングライターであり、リードボーカルのKiko Motosは、Soliferia、Chico&the gypsies、そしてGipsylandとそれぞれのバンドでフックのあるポップな歌メロ満載の佳曲を作り続けてきた。この「Arte」でも楽曲の質は非常に高い。
しかし、このアルバムには他のアルバムとは大きく異なっている点がある。それはサウンドが非常に優れているということである。言葉で説明するのは難しいのだが、敢えて文章で表現すると以下のようなイメージで音作りがなされている。 ヘヴィなドラムとファンキーなベースを敢えて中心に据えつつ、リズム隊を後ろに従えるような形でボーカル、パルマスをその前に置く。そして、それらの楽器を包むようにキーボードやストリングスを響かせつつ、外郭の部分でルンバギターをしっかりと鳴らしてサウンドを引き締める。
一体感があるにも関わらず、音の分離が実にはっきりとしていて、各楽器が干渉し合ったりすることもない、非常に優れた音作りがなされたアルバムである。こうしたサウンドの先達であるGipsy Kingsでさえ、ここまで一体感を保ちつつ各楽器の音を分離させるという音作りはしていない。
Gipsy Kingsのメジャーデビューアルバム以降、ジプシールンバはモダンな楽器群と融合したサウンドでアルバムが作られることが標準となった。
そのモダンなサウンドのおかげで、ジプシールンバが万人受けする「メジャーな音楽」になり得るのだが、このサウンドを作り込むサジ加減が難しく、モダンの度合いを間違えると単なる陽気なラテンポップやただのダンサンブルなラテンミュージックになってしまったり、逆にマニア以外にはピンと来ない泥臭い民族音楽になったり、という事態に陥ってしまうのである。
現にGipsylandも前作ではギターのルンバストロークが他の楽器に埋もれてしまい、ジプシールンバのエッジが希薄であったためラテンポップ色が強かった。
それでも十分に魅力的なジプシールンバアルバムであった為、「サウンドがもっとルンバギターを活かしていたら…」と思っていたのだが、この3rdアルバムではジプシールンバのエッジを取り戻しつつも、更に、こちらの期待以上のものを提供してくれたといえる。
サウンドがただ優れているだけでは単に「音の良いアルバム」に過ぎないが、冒頭でも述べたように加えて曲のクオリティが非常に高い。しかも、この秀逸なサウンドが曲の新たな魅力を引き出し、クオリティを大幅に高めるという波及効果、相乗効果を生んでいる。
ストリングスの導入は、リードギターCyril Cablatのメロディーセンスに壮大なスケール感と爽やかな清涼感があることを、はっきりと浮かび上がらせた。
これは特に?、?で顕著であり、これらの曲から感じ取れる広大さというものは、さながら映画音楽のようである。
他にも重たいビート、ファンキーなベースと一体となった?、ジプシールンバとエスニックミュージックの融合?など聞きどころは満載である。
先にも述べたが、一歩間違えば単なる陽気なポップスになってしまいそうな曲も、絶妙なサジ加減で魅力的なジプシールンバに仕上がっている。
この「Arte」は、Gipsy Kingsやジプシールンバを愛聴する人のみならず、その他の人にも自信を持って推薦できるアルバムである。
(K)
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