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Gipsy Kings / Allegria
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ミュージシャン
- アルバム名:Allegira
- アーティスト:Gipsy Kings
- 発表年:1982
- 発売元:Phonogram S.A. Paris
アルバム情報 |
曲ラインナップ
- Pena Penita
- Allegira
- La Dona
- Solituda
- Sueno
- Djobi Djoba
- Un amor
- Papa, No Pega la Mama
- Pharaon
- Tristessa
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レビュー
- これぞジプシールンバの最高傑作
私がカマルグ・ジプシー・ルンバのとりこになるきっかけとなったアルバムである。
世界デビュー前のGipsy Kingsのアルバム「Allegria」と「Luna de Fuego」は、それぞれ1982年、1983年のリリース。
共に心に残る名盤だが、収録曲に名曲が多いこと、またニーノ(Bruno 'Nino de Suerte' Baliardo = Manitas de Plataの甥)が参加している唯一のアルバムということで、敢えてこの「Allegria」をベストとした。
父親Jose ReyesがManitas de Plataのグループを抜け、息子たちと結成したJose Reyes y Los Reyes。父親の死後に息子達だけで引き継いだグループLos Reyes。彼らReyesファミリーがギターの名手であるBaliardoファミリーとサント・マリー・ド・ラメールのジプシーの祭りで一緒に演奏したのがきっかけで Gipsy Kings が誕生した。
アコースティックなギターと土の香りがするノリのいい歌の数々。バックはハレオ(掛け声)とパルマ(手拍子)だけ。
民俗音楽のようであるが、トニーノのギターソロのセンスが素晴らしく、空を翔るよう。
聴いていると自然に体が動き出す。この2枚を聴いてあっという間にとりこになってしまった。
いきなり彼らの世界に引き込まれる "Pena Penita" ではパチャイとニコラの掛け合い。そのほかニコラが4曲、ニーノが3曲ソロボーカルを担当。
トニーノのインスト曲が3曲という構成。すべて彼らのオリジナル曲である。
因みに日本ではこの2枚をまとめて日本フィリップスが「ジョビ・ジョバ」というタイトルで発売している。
ただしこのCDでは「Allegria」 に入っているニーノが歌う'Requerda'が
脱落しているのでオリジナル盤を探して買うことをお勧めする。
なお日本盤にあるように当時はGipsykings Los Reyes というグループ名を名乗っていた。
この日本盤のライナーノーツにメンバー紹介がある。
「ニコラ、ポール、シコ、パチャイ、トニーノ、ディエゴ、ニーノ」
一方、折り込みにある写真ではニーノがいない代わりにカヌートが写っている。つまり、「Allegria」のメンバーが日本語の通り。
そして1年後の「Luna de Fuego」ではニーノが抜けてカヌートが参加している。
2枚共にオリジナル盤はLPでも出ており、「Allegria」は今のCDジャケットと同じデザイン(当時評判が悪かったらしい)だが、「Luna de Fuego」は
日本編集盤「ジョビ・ジョバ」の折り込みにある、メンバーの並んだ写真が表に使われている。
Gipsy Kingsの魅力が凝縮したジプシー・ルンバの最高傑作といって差し支えない。
(J)

- ジプシールンバギターで埋め尽くされたアルバム
まず、この「Allegria」からGipsy Kingsおよびジプシールンバを聞き始めたという人は昔からジプシールンバのリスナーであった一部の人を除いて、殆どいないのでは? たまたま間違えて一番最初に買ってしまったというケース以外は、メジャーデビュー以降のGipsy Kingsに接してから、溯って後追いで聞いている人が大多数かと思う。かくいう私自身も後追い組であるが、この「Allegria」、Gipsy Kingsのアルバム群の中でも非常に愛聴しており、手に取る回数が多いアルバムである
○ サウンド
このアルバムのサウンドはギター(ジプシールンバギター)で埋め尽くされており、その中をかき分けてNicolas、Patchai、Ninoの瑞々しいボーカル(カンテ)がせり出してくる。 そして曲中、曲間の如何を問わず発せられる掛け声(ハレオ)。
ジプシー達の宴をそのまま真空パックして閉じ込めたかのような音、雰囲気は何にも代え難い。一説によると、この「Allegira」と次作「Luna de Fuego」はレストランのような場所で一発録りで作られたということであるが、それも納得できる音である。
前回のレビューでGipsyland「Arte」を「モダンなジプシールンバサウンドの完成形」と解説したが、このGipsy Kings「Allegria」は「伝統的なジプシールンバサウンドの完成形」といえる音である。一般に広く理解されるには土臭い民族色が強すぎてはダメで、逆にモダンさが出過ぎてもいけない。 Gipsyland「Arte」がモダン寄りギリギリのところにいるのに対して、このGipsy Kings「Allegria」は土臭さギリギリのところにいるともいえる。
一般のリスナーがいきなり聞かされても拒否反応が起きないちょうど境界線にいるアルバムだ。モダンさ、ポップさも垣間見れて、軽快かつ激しくて耳に心地良いサウンド。
しかしこれ以上ジプシールンバ色が強まるとそれこそマニアのための音楽になってしまう。
ちょうどジプシールンバ色の強い、絶妙なサジ加減のサウンドといえる。
○ 曲
Gipsy Kingsは多数のアルバムを出しており、曲数も膨大であるため、近年は演奏されない曲も多い。しかし、この「Allegria」の曲は今もなお、演奏される機会が非常に多い。
常識的に考えてメジャーデビューアルバム以降の曲の方が、一般リスナーにはお馴染みだと思うが
メンバー自身は「Allegria」の曲を非常に気に入っているということなのであろう。
'Pena Penita'、'Allegria','La Dona'、'Djobi Djoba'、'Un Amor'、'Pharaon'、'Tristessa' 等々。
Nino Baliardoが現在メンバーにいたら、アルバムの他の曲も全曲やっているのではないだろうか。
実際、メンバーが好んで演奏するのも頷けるほど、優れた曲の揃ったアルバムであり、客観的に見ても完成度の高さは勿論の事、閃きやフックも満載のアルバムである。
○ Reyes家とBaliardo家の合体
このアルバムの聞き所は、Reyes家とBaliardo家が合体した結果、それまでのLos Reyesのアルバムで漂っていたマイナー臭が薄らぎ洗練された曲構成とメロディーラインが際立つようになった点である。これは何と言っても当時、若干20歳そこそこであったTonino Baliardoの実力によるものであろう。
卓越した技術と優れたメロディーセンス、そして従来のジプシールンバやフラメンコにとらわれない柔軟さと繊細さによって、曲の構造自体が非常に洗練された結果、完成度が飛躍的に向上している。
その影響からかNicolaやPatchaiのメロディーも質が非常に高い。この両家の合体を画策したのはChico Bouchikhiらしいが、その先見性、選択眼は流石という他ない。
またこの「Allegria」にはもう一つ特筆すべき聞き所がある。それはNino Baliardoの歌である。Reyes家の歌い手はラホー(掠れ声)であるがNinoの声は太く伸びやかな艶のある声。この歌唱を聞く為にこの「Allegria」を買っても損はしないだろう。
もし「Allegria」を買うのであれば、Juanito氏お勧めの通り輸入盤(UK盤)である。最後にNinoが歌う'Requerda'が収められているのだが、それが国内盤(2in1CD)や米盤はカットされてしまっている。
このGipsy KingsをLos Reyesの延長線上にあると考える向きもあるが、本質的には全く性質の異なるグループと考えた方が良い。Los ReyesにBaliardo家が新しい要素を持ち込み、それが素晴らしい化学反応(ケミストリー)を起こした、その結果がGipsy Kingsそのものであると。
そして「Allegria」はそれを見事なまでに鮮明に記録したアルバムなのである。
(K)
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