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Sara Sara / Gitano Family Gitano Family / Sara Sara

ミュージシャン

アルバム情報
  • アルバム名:Sara Sara
  • アーティスト:Gitano Family
  • 発表年:1996
  • 発売元:Tudor Recording AG, (Zurich, Switzerland)

曲ラインナップ

  1. Maria Sara
  2. Gitana Canastera
  3. Homenage Aux Marquises
  4. Rumba Bunea
  5. Siempre el Amor
  6. Roseaux de Camargue
  7. Noche de Juerga
  8. L'Hora di Marina
  9. Un Mundo sin Guerra
  10. Toda la Noche
  11. Blanco y Negro
  12. Allegria de Toros
  13. Voi Voi Voi
レビュー
  • Julio の優れた作曲センス、 Josephy 、 Little Canut
    らの若さ溢れるプレイ、ゲストの暴れっぷり、など聴きどころ満載


    Gitano Family は、 Reyes 家と親交厚く、音楽活動を共にしてきた元闘牛士 Julio Romero をリーダーとして現在活動している。
    この「Sara Sara」はその Gitano Family の 2ndアルバムである。
    Gitano Family の成り立ちは、「Le Printemps de Los Reyes」製作時の Los Reyes (I)のメンバーが、Patchai Reyes 、 Julio らを中心として、再度集結したと言うのが、正確なところではないだろうか。

    ○ 聴きどころ
    前作「Roque Rock」は、当時在籍していた Patchai の色が濃く出たアルバムだったが、この「Sara Sara」は Julio の色が濃く出たアルバムといえるだろう。
    その Julio が生み出すメロディーは、キャッチーで親しみやすいながらも、哀愁を帯びている。明るさの中に哀愁がちらりと漂い、もの悲しさの中には温かさがほんのりと含まれている、とでも表現できるだろうか。シンプルでありながら味わい深い。メロディーの中に時として漂う、牧歌的なのどかさも相俟って、目を閉じて聴いていると、目の前にフラミンゴが群れるカマルグの湿原や、馬が走り回る草原などの光景が浮かび上がるようだ。
    曲によっては Canut Amador (Little Canut)作もあり、ゲストの Paul、Canut Reyes (Big Canut)らが提供したものもあるが、 Julio の作曲能力が発揮された、総じて佳曲揃いの優れたアルバムと言える。
    ただ一点、惜しむらくは、優れたリードギタリストが当時、不在だったことである。現在、 Gitano Family に出入りをしている Mario Reyes や Chou Chou Regis が、当時在籍していたら、本家 Gipsy Kings のアルバムに勝るとも劣らない出来になってのではないか、そんな気がしてならない。

    ○ 個性を主張する歌い手達
    このアルバムは、 Julio 、 Little Canut 、 Josephy Gautier 、 Big Canut と
    Clarie Tudela のボーカルが堪能できる。その中でも、3人の中心人物 Julio 、 Little Canut 、 Josephy の活躍が素晴らしい。
    リーダー Julio は、ずば抜けた声量やレンジ、テクニックを持ち合わせているわけではないが、持ち味を十二分に発揮するメロディーを自作し、その渋く、哀愁漂う歌唱で、心に響く歌を聴かせる。
    Little Canut は、このアルバムで歌唱が一皮むけたと言える。それまでは若干声に未熟さ、弱さが感じられる部分もあったが、このアルバム以降は太く、渋い声に変化している。
    Josephy の歌唱は、ジプシールンバを唄うボーカリストに対する、私の固定概念「ジプシールンバを歌うにはラホー(掠れ声)に限る」という考えを改めさせた。太く伸びやかでありながら良く透る澄んだ声。フラメンコやジプシールンバには、あの独特の掠れ声しか合わない、と思っていたが、そうではなかった。この Josephy の歌唱は、自分にとって良い意味でショッキングだった。そして、嵌まったのである。
    (それと同種の衝撃を受けた歌い手に、もう一人 Nino Baliardo がいる。)

    ○ 大きなオマケ
    このアルバムには、契約関係から偽名でクレジットされているが、 Gipsy Kings の Paul と Big Canut の二人がゲストとして参加している。
    だが、ゲストとは名ばかりで、2人でハレオ(掛け声)は掛けまくる、Paul
    は一聴して彼と分かるルンバを激しくかき鳴らす、 Big Canut はそこかしこに彼以外の何者でもない歌唱を入れる、曲によってはリードボーカルも全面的に取る、リードギターまでも弾いている(と思われる)、等々良い意味で Paul 臭 、 Big Canut 臭 をこのアルバム中に撒き散らして、暴れまわっている。
    勿論、それがマイナスになろうはずもなく、アルバムの完成度を結果として、さらに高めているのである。
    このアルバムを仮に Paul 、Big Canut 目当てで手に入れたとしても、期待は裏切られないだろう。だが、もし切っ掛けが Paul や Big Canut であれ、 Gitano Family をおそらく気に入ることになるだろう。

    ○ 生々しいサウンド
    サウンドは前回レビューをした Gipsy Kings の「Allegria」に近い。
    ただ、「Allegria」は、皆のギターを一本の集音マイクで拾っているという感じのサウンドであるが「Sara Sara」はそれぞれのギターにマイクを一本ずつ立てて録っているという感じのサウンドである。ギター一本一本の音がはっきりと聞こえ、これぞジプシールンバギターという醍醐味が味わえる。
    しかし、前述の通り、優れたリードギタリストが不在であるために、ルンバストローク限定の話になってしまうが。
    ジプシールンバストロークを習得したいという、ギタリスト諸氏には、Gipsy Kings 「Allegria」 とこの Gitano Family 「Sara Sara」は、最高の教材とも言える。

    (K)
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