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A&Kのジプシールンバ談義 その1
Talking about Gipsy Rumba

K→A 小話 始まり

Gipsy Kingsを始めとして、ジプシールンバは、フラメンコとは根本的に違うものだと思います。確かにルーツは同じですが、もはや、似て非なるものだと考えます。ロックとブルーズみたいに。さしずめ、フラメンコがブルーズ *1)で、ジプシールンバがロック、というところでしょうか。

極論ですが、フラメンコという呪縛から解き放たれない限り、Gipsy Kings(ジプシールンバ)の音にはならないだろう、と。Gipsy Kingsに限らず、KETAMAなんかもそうだと思いますが。

(注1:20世紀初頭、アメリカにおいて黒人達の間で発生した音楽。3コードを基本に曲が展開していく。1960年代、このブルーズからロックが産まれた。ちなみにブルー「ズ」である。ブルースでは淡谷のり子の音楽になってしまう。)


A→K 小話 始まり

フラメンコについて語るのは、私にはそれこそ10年早いんですが、やはり、Gipsy Kings系のジプシールンバと、スペインが定義しているというか、スペイン人ヒターノによるスペイン人ヒターノのためのフラメンコ、世に言うプーロ(純粋な)フラメンコとは別物と言っていいかも知れませんね。

ただ、現在ではPaco(パコ・デ・ルシアのこと)の影響か、時代背景のなせる技なのか、モダンフラメンコなるものが存在し、ジプシールンバ側、若手プーロ側、両サイドから更に次のステップへの道筋を歩みつつあり、道は違えど、偶然にもある一つのものになりつつある傾向にあるようです。

スペイン南部アンダルシア地方では、やはり、ホンドフラメンコ、歌の歌詞がどれだけ魅力的か、によってフラメンコとしての良し悪しが区別されるのに対して、バルセロナ地方では、ルンバフラメンカの発祥の地、南米からの移民が多い、ということもあってか、歌詞云々はさておいて、元々のルンバを主体とした2拍子4拍子系がもてはやされているようです。

個人的な感想ですが、現代ではお互いの距離感も縮まり、自然とお互いの良さを吸収し合い、また新しいジャンルが生まれるのかも知れません。なんたって元々は同じ血が流れていますから。

そんな中、Gipsy Kingsは、いい役割を果たしてくれていると思います。

レコーディングされて世に出ているものは、ある程度、プロデューサーの意図も含まれていることも考えられるので、100%彼らGipsy Kingsそのものの内面からのものとはならないのかも知れませんが、胸に秘めている新たな、まだ形にはなっていないけど、これっ!!、ていうものを、まだまだ控えているような気がしてなりません。

' Bossamba ' ( Gipsy Kings 「 Mosaique 」 収録のインストゥルメンタル曲)を聴いて、その可能性を見出します。あくまでも軽い −はしり− とは思いますが。ノーマルなルンバフラメンカ(=以下ルンバ)とは一風変わって、「こんな感じでもいけるぞ」っていう楽しみ方というんでしょうか。更に数年後の ' Poquito a poco
'では一見、捉えにくいリズム回しが、彼らの来るべき新ジャンルへの糸口を掴みかけた辺りかなと勝手に思います。
これを、ここではフランス側と定義しておきましょう。

一方、スペイン側では、これまた若い世代のMusicos(スペイン語:ミュージシャンのこと)によって変革がなされているのですが、偉大な勢力、伝統、保守派と呼ばれる圧力に、もはや負けてしまい、斬新的であるものにスポットライトが当らないような中で、逆にむしろ大御所達は、次々と色々なジャンルとの融合を試みている様に見受けられます。

以前、来日し、ジャズピアニストのミシェル・カミーロとアルバムを共作したトマティートを例に挙げますと、彼が10歳若くてアルゼンチンタンゴ等をかじっていたら、「生意気だ」とか言われていたかも知れないほど、今のスペインフラメンコ社会は封建的というかホンド…の方を重んじているんでしょう。

かつて、Paco(パコ・デ・ルシア)が20代の時、このようにフラメンコギターの幅を広げて行こうとした時、受け入れてもらうのに苦労したとか。

っとまぁ、フランス側とスペイン側、私ならば双子の兄弟と捉えてもいいかと思います。
育つ環境によってその特徴が目立ってくるってことで、違いや見分けるポイントが浮き彫りになってくるという例えですが。

Kさんの言葉を借りれば、「似て非なるもの」であり、そっくりである父(プーロフラメンコ)からいずれは独立しなければなりません。一方では、封建的慣習の中でだたの息子として存在することもあれば、他方は、最初アウトロー的な目で見られても、時期が来れば「さすが○○の息子」として存在することもあるでしょう。

フランス側は特にルンバというジャンルに長けている訳で、今後もさらにそれをベースとした改革を進めて行くでしょう。そしてそれをもはやフラメンコ、「○○という父」とは無縁であるかのように独立存在していくでしょう。そしてレコード会社(古!)もそのように区分けすることでしょう。

一方、本家を名乗るスペイン側では、圧力の手前、○○の息子というレッテルはそのままに、その息子を賞賛し新しい時代というキャッチで、独立存在させるでしょう。

結局、フラメンコという呪縛も何も……、別物なんですから、のびのびとやりましょう。

つづく

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